RAW DATA(ロー・データ)

ペルニール・ロース/著、日向やよい/翻訳

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2020年3月16日発行

EMBOJournal元編集長が研究の光と影をノベライズ。
研究の喜びと不正の本質に迫る、カレンとクロエの物語。

4年かけた研究成果が有名雑誌にアクセプトされ、バラ色の未来ヘ歩みだす若手研究者クロエ。
同僚として祝福しつつ、少しの嫉妬心、なによりも自分の実験がうまくいかないことへの焦りが募るカレン。

ふとした偶然からクロエ論文の齟齬が明らかになり、ラボは騒然となる…。
研究の喜びと不正の本質に迫る、科学者としての生き方を描いた小説。
内情を知る、学術誌EMBO Journalの元編集長ならではの視点と巧みなストーリーで、「科学者として譲ってはいけない一線はどこか」を読者一人ひとりに問いかける。

池谷裕二氏、大須賀覚氏も推薦!

◎池谷裕二氏(東京大学大学院薬学系研究科)
不正、虚勢、焦燥、欺瞞、背徳 ――研究者の実態があまりにリアルに書かれていてハラハラしながら読み進めた。そして最後に本を閉じたとき、改めて「研究は美しい」と感じた。多くの人に研究の本当の現場を知ってもらいたい。

◎大須賀覚氏(アラバマ大学バーミンガム校)
圧倒的な生々しさ。研究不正の誘惑に堕ちる者、危機に追い込まれるボス、巻き込まれるラボメンバー。結果へのプレッシャーが増す現代の研究世界のリアルがここに。正しい対処とは!?

かつて研究をしていた編集者たちのコメント

●一流誌での発表をめぐる研究のスリル、再現性をめぐるどんでん返し、研究室内外の人間関係…かつての研究生活を思い出しながら読み進め、あらためて「科学者はどう生きるべきか」を自らに問いかけました。(編集部H)

●これほど感情移入できた小説は初めてかもしれない。研究経験があれば誰しも感じたことのある喜び、不安、焦り、超えてはいけない一線の存在、研究者たちのリアルな心理描写に心動かされました。結末も絶妙で、また研究がしたいと思わされる1冊でした。(編集部H)

●我こそは間違えないと思って、それぞれどこか間違いを犯す登場人物たち。そして、研究不正の糾弾こそが主題と思わせておいて、18章1行目の衝撃。科学を愛するわたしたちの物語。(編集部T)

パート2「著者ペルニール・ロースとの一問一答」より抜粋

「これは不正行為についての物語というより、科学者としての生き方の物語です。そうした生き方のもたらす感動はもちろん、苦難も描いてみようと思ったのです。小説の中心となるのは、キャリアの重要な転換点にいるふたりの科学者です。 (中略)事件も実際に起こっています。日本でのSTAP細胞事件がありますね。 (中略)何よりもまず、科学に携わることがどんなにすばらしく、刺激的かということですね。つらいことや激しい競争だけでなく、驚異にも満ちているのです。読者のみなさんにもぜひそれを体感していただけたらと思います。」

読者レビュー

「職業人としてのプライドを持って打ち勝ちたい、そんな気持ちにさせてくれる作品」

研究者の日常が緊張感のある展開として描かれている。人間の業のようなものが蠢く海の上を細い1本の糸の上を渡っている、そんな感じのハラハラ・ドキドキ感が充満している。私は研究者ではないが、多かれ少なかれすべての職業には倫理観が必要だと思っている。もちろん職業により倫理の表すところは異なっているし、倫理を侵した場合のペナルティも大きく異なる。
本書で取り扱っているような職業の本質的な部分を形作っている倫理は不可侵であり、これを侵した場合は、職業人足りえない。とはいっても、問題は研究者とて人間、欲があり嫉妬心や野心があること。決して仙人や聖人ではない。葛藤があるのは仕方がない。しかし、職業人としてのプライドを持って打ち勝ちたい、そんな気持ちにさせてくれる作品であった。

詳細情報

定価 本体 1,600円+税
判型 四六判
ページ数 373ページ
ISBN 978-4-7581-1212-3
発行日 2020年3月16日

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